夏になれば、日本の各地で行われる浴衣祭りですが、もともと「浴衣まつり」と言えば兵庫県姫路市で行われる「姫路ゆかたまつり」のことでした。毎年6月22日から3日間行われます。
それが、全国に広がったので「姫路」ゆかたまつりと呼ばれるようになったんです。
しかも、浴衣が一般的に着られるようになったのも姫路からです。そこには、暴れん坊将軍で有名な八代将軍、徳川吉宗も関係しています。
今回は姫路ゆかたまつりの歴史と暴れん坊将軍 吉宗との関係を紹介していきます
浴衣祭りは姫路から歴史が始まった!?
浴衣とは主に夏に着られる和服のことです。一時はあまり着られ
なくなりましたが、最近では夏祭りで若い女の子を中心に再び着られるようになりましたね。
浴衣は下着?
今では色とりどりのカラフルな浴衣ですが、姫路で浴衣祭りが始まるまでは、浴衣は下着のようなもので外に着ていく服装としては、はしたないものとされていました。
そもそも浴衣とは「ゆかたびら」を略した呼び方です。
ゆかたびらとは、主に体を水で清めるときに身に付けられていた着物のことです。
時代劇などでは、願をかけるときに井戸の水を被るシーンがよくありますが、あのようなイメージでしょうか。
それが、安土桃山時代には湯上りのときに着る着物として定着していき、それが今日では普段着る和服の略装となりました。
もっとも、最近では夏のお祭りのときにしか着られませんけれどね。
下着のような浴衣が、外にも着ていけるようになったのは江戸時代の姫路で起こったある出来事(イベント)からでした。
そのイベントがきっかけとなり、普段の着物として浴衣を外に着ていってもよい風潮になったと言われています。
そして、現代では姫路ゆかたまつりの催しが全国に広がり、各地で浴衣祭りが開催されるようになりました。
その姫路で起こった出来事(イベント)には、暴れん坊将軍で有名な八代将軍、吉宗も関係してします。
最近では、柴崎コウさん主演の映画「大奥」の方が有名ですかね。
映画の中での柴崎コウさん演ずる吉宗は、イケメン侍を広場に集め、「その美貌なら嫁ぎ先もすぐに見つかるだろうから、お前ら解雇な!!」とリストラを断行してましたね。
目安箱を設置したり大岡越前を登用したり改革を実行していきました。いわゆる「享保の改革」です。
1716年に将軍職につきましたので約300年くらい前のお話しになります。
姫路の浴衣祭りの由来とは?
その将軍吉宗がどう姫路ゆかたまつりと関わってくるかと言いますと、吉宗の治世(時代)は財政がピンチでした。
「大奥」の映画のなかでも、柴崎コウちゃんが贅沢を戒めるシーンがたくさん出てきましたね。
そんな中に吉宗は倹約令を出し、贅沢なものを次々と禁止していきました。
これに逆らうように、贅沢三昧していたのが姫路城主だった榊原政岑というお殿様。
このお殿様は吉宗が倹約を奨励している時代に逆行して、江戸城の門番に奇抜な格好をさせたり、自分自身も放蕩三昧を繰り返していました。
ある女性を身請けしたときの金額は、1800両とも2500両とも言われ、今の価値に直すのは難しいのですが、1両を約6万円と計算すると、1億5千万円ほど支払っています。
また、その歓迎パーティーでは3000両、1億8千万ほどかけていますので合計約3億円!!
3円置くんとちゃいますよ。一人の女性に3億円でっせ!
そんな、無駄遣いをコウちゃんが許すはずもありません。
コウちゃん「お前切腹な!」
と言ったかどうかはわかりませんが、吉宗の怒りは凄まじく大変な怒りを買いました。
結局、このお殿様は姫路から越後(新潟県)に転封されることになりました。
転封とは、本社の東京でバリバリ働いていたサラリーマンが、アフリカの名前も知らない村に派遣されるようなイメージでしょうか(笑)
姫路ゆかたまつりとは?
やっとここで、浴衣祭りの由来が始まります(笑)
コウちゃんが好き過ぎて、つい力が入ってしましました。
現代の姫路浴衣祭りは、姫路城とJR姫路駅のちょうど真ん中に位置する「長壁神社」のお祭りです。
この長壁神社は、そもそも姫路城の敷地内にあったのですが、このお殿様が、転封されるときに
「姫路を去るから、これからは町民も気軽に参拝できるように神社は移動させるわ」
と今の場所に遷座することになりました。
遷座とは、神様を移動させることです。
伊勢神宮は20年に一度、遷宮が行われることで有名ですね。伊勢神宮は他の神社とは違い、別格なので遷座といわずに遷宮と言います。
もちろん社、神様を移動するのは簡単ではありません。左から右に移動したらいいのではなく、きちんと儀式を執り行う必要があります。
その遷座祭は1742年の6月22日と決まったのですが、あまりにも急すぎて参加したい町民の人たぢは、式服を用意することが出来ませんでした。
それを聞いた、お殿様は特別に式服でなくても参加をお許しになり、多くの人が浴衣で参加したといいます。
本来、きちんとした服装で遷座祭に参加せなばならないところ、お殿様のはからいで、浴衣でもOKとなったのです。
そして、町民は姫路を去っていったお殿様を偲んで毎年、6月22日に長壁神社でお祭りをすることになり、現代にまでその風習が残っています。
それが、毎年6月22日から3日間開かれる姫路ゆかたまつりです。
なんと270年前の出来事が現代まで残っているってすごいですよね。
暴れん坊将軍 吉宗と姫路城の関係
姫路ゆかたまつりが始まったいきさつには八代将軍吉宗が、関係していたのが、おわかり頂けたと思います。
ドラマ「暴れん坊将軍」とは将軍である吉宗が身分を隠し、侍の次男坊になりすまして江戸で起こる事件を解決していくドラマですが、
本来吉宗が居住しているのは、江戸城です。
しかしドラマに出てくる江戸城は実は姫路城なのです。
姫路城の城主であった榊原政岑に転封を言い渡した、張本人である吉宗が、未来で自分のドラマや映画の撮影が姫路城で行われているなんて知ったらびっくりするでしょうね。
姫路城でのロケは映画やドラマ数えきれないほど撮影されています。
有名なところでは
「ラスト・サムライ」2003年 トムクルーズ 渡辺謙 真田博之
「隠し剣 鬼の爪」2004年 永瀬正敏 松たか子
「るろうに剣心」2014年 佐藤健
また、「大奥」の名がつく映画やドラマは数多くありますが、そのほとんどのロケ地として姫路城が使われています。
最近では、2016年に放送された沢尻エリカさんのスペシャルドラマ「大奥」もそうです。
運が良ければ、姫路城で撮影しているところを見ることが出来るかもしれませんね。
まとめ
今回は、主に姫路ゆかたまつりの歴史や由来を紹介しましたが、毎年6月22日より始まるお祭りに、浴衣姿で参加すると素敵な特典がありますので、ぜひ参加してみて下さい。