マンションなどの集合住宅ではベランダに面している窓が一番広く、熱を取り入れてしまっています。
またベランダ部分の照り返しの強さが、室内の温度を高める主な原因となっています。
ベランダに打ち水をすればいいのですが、最近の暑さでは効果がないのでは?と疑問を持つ方もいると思います。
今回は、打ち水と併せて行うことで効果的に温度を下げる方法を紹介します。
マンションのベランダに打ち水は効果あり?
ご存知の通り打ち水とは、昔から行われてきた夏の暑さ対策のひとつです。最近ではテレビで取り上げられることも多く、目にする機会も多いと思います。
原理は簡単で、水が蒸発する際の気化熱を利用して温度を下げます。アルコールの消毒液を肌につけたときに、冷たく感じるのと同じ原理ですね。
マンション住まいの方はベランダに打ち水をすることで、部屋に入ってくる風の温度を下げることができます。
撒く水の量は?
水溜りが出来ないくらいの水の量が適しています。水が多くあまりにも溜まりすぎると、なかなか蒸発しないので温度が下がりにくいです。
水道水は?
ベランダの熱を下げるだけなら水道水でも良いですが、せっかくのエコな取り組みなのでできれば、節水も兼ねてお風呂の残り湯やお米を洗ったとぎ汁で打ち水をすると環境にも優しいですよね。
ただ、一戸建てなどで家の前のアスファルトの道に打ち水するときは、安全のためにとぎ汁の使用は控えましょう。またマンホールが濡れるていると歩行者や自転車、バイクが転倒する危険性もあるので注意して下さい。
ベランダ以外の場所にも
打ち水をする場所は、ベランダの床以外ではマンションの外壁などにすると熱を取ってくれ効果的です。
また、エアコンの室外機の周辺の場所を集中的に打ち水を行うことにより、室外機に取り込む空気の温度が下がるので、エアコンが効きやすくなります。
室外機は雨などの上からの水にはある程度大丈夫ですが、横や下から水が掛かると故障の原因ともなりますので、注意して下さいね。
ベランダは防水?
ベランダ部分は、防水されていないことも多いので下の階に漏れてないかを確認するほうが、後々余計なトラブルにならないで注意して下さい。
打ち水の効果は?
打ち水でどれくらいの効果があるかは、実際には環境に左右されることが多いのですが、正しいやり方で行えば、およそ1℃~2℃の温度が下がります。
たった1℃?と思うなかれ、エアコンメーカーのダイキンの発表によればエアコンの設定温度を1℃あげれば約10%の電気代を節約できるとされています。
1℃だと「たった、それだけしか下がらない」と思ってしまいますが、「10%も節約できる!」と聞けば、すごーいと思いますね。
打ち水を効果的にする方法
ですが!
打ち水を過去にしたことがあるけれど、それほど気温の下がりを体感できなかったという人も多いでしょう。特に都心部ではヒートアイランド効果で焼き石に水、打ち水なんて意味がないようにも思うかもしれません。
そんなときは、打ち水だけでなくこれから紹介する方法も併せて一緒に行えば、効果も感じやすくなると思います。
打ち水と併用
打ち水と併用して行うことにより、より効果的に涼しく感じる方法です。
グリーンカーテン
グリーンカーテンとは、ツル科の植物をベランダで栽培することで、直射日光を防ぎ、土からの気化熱と植物の葉からの気化熱で気温を下げるカーテンの働きをするものです。
アスファルトから感じる熱より、芝生のほうが涼しく感じるのは、植物自体に温度を下げる効果があるからなんですね。
グリーンカーテンとして人気のある植物は、収穫もできるゴーヤや誰もが栽培の経験を持つ朝顔です。
特に朝顔は栽培しやすく、種も豊富に取れますし夏の時期に彩りを添える植物としてとても人気があります。
すだれ・よしず
窓の外側から約10センチほど離したところに、すだれやよしず(すだれの大きく立てかけるバージョン)を設置すると風は通しながら、直射日光を防ぐことができるので、部屋の温度を下げることができます。
すだれやよしずに直接水を掛けたり、周辺に打ち水を併せてすることで効果がよりでます。
打ち水にハッカ油
打ち水にハッカを混ぜることで、清涼感が増し涼しく感じるようになります。ハッカとは、ハーブの一種でメントール効果があるものです。水とハッカ油は混ざりにくいので、しっかりと攪拌してください。
また、ハッカには虫除け効果もありますので、蚊の多い夏により適しています。
ふうりん
キンチョーの夏、の次ぐらいにベタな日本の夏を感じさせてくれるアイテムですが、風鈴の音色を聞くと涼しげな感じがするものですね。
蚊取り線香を焚きながら、氷水をはったタライに足を浸けながら、すいかをほおばった記憶がなつかしいです(笑)
打ち水の効果がある時間帯
今まで打ち水のやり方や、併せてすることで効果的に温度を下げる方法を紹介してきましたが、一番重要なことは打ち水の効果が出る時間帯があることです。
時間帯は2回
打ち水は真昼の暑い時間に水を撒くようなイメージがありますが、これは間違いです。これではかえって熱気を感じる結果となります。
午前中
打ち水を行うのに適している時間帯は、午前中の日差しがまだ強くない時間帯。ベランダが熱をためる前に、たっぷりと水を撒くことが大事です。
夕方
午後は日が落ちた時間帯に打ち水を行うことが効果的です。昼間に溜まったベランダの熱を水で下げることが目的です。
また、ベランダ以外の家の周辺に打ち水をするときには、ひなたの部分に水を掛けるより、日陰の部分の方が気温が下がります。
最後に
最後になるのですが、打ち水の効果がある時間はやはり限られています。絶えず水を撒き続けることもできませんし。
そこでわたしが最後におすすめする方法はミストシャワーの設置です。
最近では、駅前やアーケードの商店街に設置されていることが多いです。
家庭用のミストシャワーはもう少し小ぶりで値段もかなり下がっています。
窓の外にすだれを吊るし、朝顔などのグリーンカーテンを配置します。その上にミストシャワーを併用すれば、効率よくベランダ付近の温度を下げることができ、窓から入ってくる風も涼しくなります。
マンションなどのベランダ内にも設置できます。
気になる水道代ですが、1日に約6時間ミストシャワーを使ったとして水道代が約6円くらいなので1か月でも200円弱です。
節電を兼ねてなるべくエアコンを使わずに、暑い夏を乗り切ろうと考えているかたは、参考にしてみて下さいね。