自宅に仏壇のない家庭が増えてきていると思います。
一般的には、実家の両親がお墓と仏壇の世話をしているケースが多いですね。
ですが直系血族が存在せず、仏壇を見る人がいなくなってしまう場合もあります。
今回は、仏壇は
誰が見るものなのか?
引き取るときはどうするのか?
処分をするときはどうするのか?
を紹介していきます。
仏壇を見る人が誰もいない場合
仏壇の後継者がいないケースとは、様々なシュチュエーションがあります。
ただ、具体的に話さないと話がややこしく感じると思いますので仮のシュチュエーションで進めていきたいと思います。
あくまでも、仮の場合ですのでその点をご理解下さいませ。
登場人物は8人です。
直系血族
B・・・義母(故人)
C・・・義兄(長男・故人)
D・・・義兄嫁(今回亡くなった))
E・・・義兄長男(故人)
傍系血族
G・・・自分(次男嫁)
H・・・子供(長男)
自分の視点は次男の嫁になります。Gの立場で参考にして下さい。
そもそも、義兄夫婦が義理両親の墓と仏壇を世話をしていました。
一般的には次男であるFは独立してるので新たにお墓を建てます。そして自分たち(FとG)が亡くなれば、その新しいお墓に入り、新しい仏壇は自分たちの子供(H)が見る予定でした。
しかしE(義兄長男)が夭折してしまい、続けてC(義兄)D(義兄嫁)も亡くなったために、お墓と仏壇の後継者がいなくなってしまいました。
今回D(義兄嫁)が亡くなるまで、お仏壇には義理父・義理母・義兄・義兄長男を祀っていました。
G(次男嫁)は、自分の夫(F)が喪主を勤めたので当然、仏壇を引き取るつもりでした。
ですが、
本家の仏壇を引き取ると、将来的に自分の子供の代には守るべき仏壇が2個になってしまう・・・
また、友人が言うには自分たち(F・G)は義兄夫婦(D・C)から見ると傍系血族であり、お墓や仏壇はあくまでも直系血族が見るものなので、引き取る必要はない・・・
と言われて、どうしたらよいかわからなくなってきました。
実際のケースではここまで単純ではないでしょうが、これに似たケースはたくさんあると思います。
直系血族と傍系血族とは?
そもそも直系血族と傍系血族の違いとは、何なのでしょうか?
簡単に言うと、直系血族とはA・Bを親とした縦の関係になります。
F視点から見るとA・B・G・Hが直系血族になります。
つまり、C・D・Fは傍系血族になります。
兄弟でも法律上は傍系血族と呼びます。
前置きが長くなりましたが、結局のところ直系血族がいなくなった場合、誰が仏壇を見ることになるかと言うと、特に決まりはありません。
法律的には、祭祀継承者の規定があります。
その法律にもまずは慣習や遺言、そして親族の話し合いで決まらなければ家庭裁判所という流れになっています。
また仏教的な観点から言えば、誰が仏壇を見ても良いことになります。
戦前の民法では長男が財産と家督を継ぎ、祭祀も継承していました。
現代の民法では遺産相続人と祭祀継承者は連動していませんので、親族のどなたがお墓や仏壇を見てもいいことになっています。
ただ、現実的には長男がお墓や仏壇を見ていることが多いです。
また、それを前提とした遺産分割も合意は可能です。ただし当然の権利としてあるわけではありません。
お墓や仏壇を守るからといって当然に財産分与が多くなるわけではないということです。
結論
仏壇は血縁者であれば、誰でも引き取ることが出来ます。
仏壇の移動の方法
それでは、仏壇を引き取ると決まったときの方法を紹介します。
実は、仏壇といえども単純に右から左へと移動するだけではダメなんです。
単なる仏さまがいる箱ではないんですね。
仏壇は、言わばお寺の本堂と同じなので引っ越す(移動)にも手順が必要になってきます。
- 魂を抜いてもらう
- 仏壇を移動させる
- 仏壇を設置する
- 魂を入れてもらう
※実は、仏教の教義的には魂の存在はないのですが、話しが逸れますので一般的な作法として紹介しています。
まず、お仏壇を引越しさせる前にお坊さんを呼んで魂を抜いていただきます。
これを、精根抜き(しょうねんぬき・しょうねぬき)と言います。そして今度は新しい移動先で魂を入れてもらうことになります。
これが精根入れ(しょうねんいれ・しょうねいれ)です。
また、仏壇を新しくしたときには開眼供養として魂を入れていただきます。この作業を経て、単なる木箱が仏壇になります。
神社や寺が新しく建てられるのと同じ行いがされるのですね。
仏壇の処分の仕方
それでは、跡継ぎがいなく引き取り手がいなくなってしまった仏壇はどうすればよいのでしょうか?
引き継ぐ人がいない場合も、新しく仏壇を買い替える場合も同じです。仏様が入っている仏壇の処理が必要になってきます。
引越し(移動)させるときですら、魂を抜かなければいけないのですから、そのまま粗大ゴミになんて絶対に出せませよね。
たとえば、身寄りのない親族の家を整理、処分するケースでは仏壇を遺品回収業者などにそのまま依頼する場合があります。
この場合は、遺品回収業者はサービスとして合同でお焚き上げしてくれるケースがあります。
他の家から引き取ってきた遺品と一緒に、読経を上げてもらうようです。
はっきりと言って抵抗を感じる処理の仕方ですが、現代の家庭事情などから考えるとやむを得ない方法かもしれません。
仏壇を処分する前に必要なこと
一般的には、処分する前に開眼供養の反対で閉眼供養が必要になります。これが魂を抜く作業なります。
魂を抜く作業を経て、仏壇から単なる箱(気持ち的には箱ではありませんが)に戻ります。
仏壇を処分する3つの仕方
閉眼供養の済んだ仏壇を処分するには主に3つの方法があります。
- 菩提寺に引き取ってもらう
- 仏具店に引き取ってもらう
- 専門業者に引き取ってもらう
菩提寺ではなくても、お寺さんに相談すれば引き取ってくれるケースもありますので一度相談してみて下さい。
引き取って頂くと永代供養や、お焚き上げをして頂けます。
また、仏具店に相談する方法もあります。
新しく買い替えする場合でしたら、話しもしやすいと思います。
遺品回収業者だけでなく、仏壇や仏具などを専門に引き取ってくれる専門業者もあります。
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まとめ
お墓の問題にせよお仏壇の引取りなどにせよ、いずれ自分たちに関係してくる問題です。
わかっていても、ついつい先延ばしにしてしまいがちですが、一度きちんと家族や親族で話しあう機会を持ったほうが良いですね。
残された家族、親族にとってとても大きな問題となりますので自分のことはきちんと決めておき、また伝えることが大事だと思います。