ゴールデンウィークや夏休みに車でお出かけすることが多くなると、赤ちゃんや幼児の熱中症対策が重要になってきます。
特に、赤ちゃんは言葉をしゃべることが出来ませんので、普段の様子からよく観察し、異変に早く気づけるようにしなければいけませんね。
また、車の中ではエアコンを付けているからといって、安心しがちですがエアコンだけに頼っていると、危ないこともあります。
きちんと熱中症対策を取り安全で楽しい旅行を楽しめるようにして下さいね。
赤ちゃんの車の中での熱中症について
毎年、夏になると車の中で赤ちゃんの痛ましい事故が起こります。
赤ちゃんは、大人と比べて体温調整機能が発達していないので、自分たち大人の感覚で考えていると、大変危険です。
また、赤ちゃんや幼児を車に乗せるときはチャイルドシートを利用していると思いますが、たいていは、後部座先のどちらかになっていると思います。
運転席や助手席の前の席に比べて、後部座席は2℃ほど温度が平均的に高くなります。
それは、エアコンの風が当たりにくいことと、後ろの窓ガラスからも陽射しを受けるからです。
また車内の空気はエアコンでとても乾燥しており、チャイルドシートで固定され、車の中は閉切った空間になっています。ゴールデンウィークや、夏休みの旅行などで渋滞になったときは、特に熱中症になりやすい環境とも言えます。
あわせて注意しないといけないのは、この車内の状況はエコノミー症候群になりやすい状況と同じです。長時間、同じ姿勢で狭い空間にいることにより、血液の流れが悪くなるのですから。
大人でも、意識していないと適切な処置をせずに熱中症やエコノミー症候群になるのですから、しゃべることの出来ない赤ちゃんは、必要以上に対策を行っていかなくてはなりません。
熱中症になる時間は?
車内に赤ちゃんや幼児を放置するのは、絶対に駄目なことです。
JAFの実験データーによると、車のエアコンを停めてからどれくらいの時間で、車内の温度が危険な状況になるか調べた結果、15分で命に危険な状態になるほどの高温になるそうです。
これは15分までなら大丈夫ということではありません。赤ちゃんや幼児の場合たとえ、エアコンを付けていても車内に放置することや目を離すべきではありません。
赤ちゃんの熱中症の症状
赤ちゃんに次の兆候が見られると熱中症にかかっている危険性があります。
- 顔が赤い
- 弱よわしい泣き声
- 汗を大量にかいている
- おしっこが黄色い
このようなときは危険な兆候です。
さらに、状況が進みますと
- 顔が青白くなる
- 泣いているのに、涙が出ていない
- おしっこの量が少なかったり、出ない
- 手足が冷たい
これらは大変危険ですので、すぐに処置が必要になってきます。
すぐに、体温を下げることを行い同時に救急車などに連絡をして下さい。熱中症は1分1秒を争う、命に係わる病気です。
車のエアコンだけでは熱中症は防げない?
私たち大人は、エアコンを付けていれば熱中症対策が出来ると思いがちですが、赤ちゃんの場合、よりもっと決め細やかに気を配りましょう。
まず前提条件として、エアコンが効いて車内の温度が下がった状態で赤ちゃんを車に乗せなければなりません。そのためには、駐車するときからなるだけ温度が高くならないような状態にしなくてはなりませんよね。
駐車の車内の温度をあげないために
単純なことですが、日蔭に駐車するようにして下さい。時間とともに影になる位置は変わりますので、気をつけて下さい。
また、窓を数センチ開けて車を離れるようにして下さい。窓を開けた状態でも熱中症の危険性がある高い温度なのですが、車内の温度は閉切っていた状態よりも低い温度になりますので、その分エアコンの効きは良くなります。
フロントガラス前のダッシュボードが特に熱を持つようになりますので、フロントガラスに陽射しを防ぐサンシェードを設置しましょう。
後部座席の窓にサンシェードやカーテンを付ける方法もあります。予算があるのでしたら、窓ガラスにUVカット、熱線カットフィルムを張るのも効果的です。特に、輻射熱から赤ちゃんを守ることが出来ます。
車内の温度を一気に下げる方法
すばやくエアコンで室温を下げるには、車内の温度がなるべく低い状態の方が良いのですが一気に外気温と同じ程度に下げる方法を紹介します。
- 助手席側の窓だけ全開にする
- 運転席のドアを5~6回程度開け閉めをする(早いスピードで)
運転席側のドアを勢いよく開けたときに、助手席側の窓より新鮮な外気が入って来ます。そして運転席のドアから中の熱い空気が押し出され、繰り返し空気を入れ替えることで車内の温度が下がります。
決して、ひんやりするわけではありませんが普段ならサウナ状態に近い車内なのに、びっくりするくらい温度が下がっています。
エアコンを効率よく使うには
ここまでの対策をした上でエアコンを作動させます。
最初に作動させるときは、マニュアルモードの全開の状態でクーラーをかけて下さい。一気に車内の温度を下げたほうが、効率よく温度が下がります。
循環モードは(車の絵に矢印→が入っているスイッチ)はじめは外気を取り入れるモードにしたほうが良いです。ある程度温度が下がってきましたら、内循環モードにして下さい。
内循環にすることにより、車内の冷やされた空気が循環されます。
赤ちゃんにとって快適な温度
赤ちゃんと大人の快適な温度は少し違います。赤ちゃんの方がわずかに快適な温度が低いので、私たち大人にとって快適でも赤ちゃんにとって暑く感じていることがあります。
赤ちゃん 18℃~26℃
大人 20℃~26℃
チャイルドシートの熱中症対策で赤ちゃんや幼児を守る
ここまで、主に車内の温度を下げる工夫を紹介してきましたが、赤ちゃんや幼児が使っているチャイルドシート付近に焦点を当てて、熱中症対策を紹介します。
チャイルドシートは安全のためにかなり、タイトになっていて赤ちゃんの体と密着しています。また少し底上げされている状態ですので、車内ではより多く輻射熱を浴びてしまいます。
なので、一番効果があるのは先に紹介した後部ガラスに窓ガラスにUVカットと熱線をカットできるフィルムを張るのが有効です。
チャイルドシートを冷やす
車内に置きっぱなしのチャイルドシートはかなり熱を持ちますので、車を離れるときには、タオルなどで包んだ保冷剤であらかじめ冷やしておきましょう。
また、チャイルドシートに取り付ける保冷シートもありますが、エアコンが効いてきますと、冷たくなりすぎて赤ちゃんの体が冷えすぎますので、様子を見ながら使ったほうが良いですね。
シートの金具やプラスチック部分の表面が熱くなっているときもありますので、ウェットティッシュで拭いてあげると気化熱の作用で触れる程度にはなります。
背中の汗
赤ちゃんは元々汗かきですし、チャイルドシートですと背中に熱が籠り、余計に汗をかきます。スヤスヤとご機嫌そうに寝ていても、背中に汗をかいていると思って下さい。
なので、タオルを背中部分に敷いておくか、背中に汗取りガーゼを入れ、清潔な状態を保ってあげましょう。特に背中はあせもになりやすいですしね。
水分補給はこまめに
汗をかいたら、かならず水分補給が必要ですのでこまめに少しずつでもお水を飲ませてあげて下さい。
よく熱中症対策としてスポーツドリンクを飲むように奨励されていますが、赤ちゃんにはあまり適していないので飲ませないほうが良いと思われます。
熱中症に一番適しているは、経口保水液です。
空気の循環
チャイルドシートに座っている赤ちゃん、幼児は車によってはエアコンの風があまり届かないケースもあると思います。熱中症は空気の循環がとても大切なので、必要なら小型の扇風機を取り付け車内の空気を後ろまで届くようにしてあげて下さい。
まとめ
実は赤ちゃんや小さいお子さんの熱中症は夏の暑い時期だけでなく、春先や初夏のとても過ごしやすい時期でも起こります。
私たち大人にとって快適な気候、温度だからといっても車内の温度は、危険なほどに上がることもあるんです。
車外が23℃~25℃でも閉めきった車内では40℃~50℃にもなる可能性もあるので、絶対に車内に赤ちゃんや幼児を放置してはいけません。
寝ているのに、わざわざ起こすのがかわいそうと思うこともあるかもしれませんが、真夏だけでなく春先や初夏の車内にも危険が潜んでいます。
熱中症対策をしっかりとして、ゴールデンウィークや夏休みの旅行を楽しんで下さい。